今日は2001年7月1日。
冷静に考えてみると、21世紀に突入してから早くも半年が過ぎたことになる。う〜ん、正直言って、今でも全く実感が湧かないまま、日々を退屈に、そして平凡にやり過ごして来たって感じだなあ。

 それ以上に、今日は僕にとって節目と言うか、一区切りがついた日という意味の方が強い。
 本日を持って、僕は自分の進路を決めることになる試験を一通りは受験し終えた。
 思い起こして見ると、今からちょうど一年前に受験を決意してからというもの、勉強に拘束された日々からようやく開放されるってわけだ。
「人事を尽くして天命を待つ」
 後はひたすら結果が発表される日を待つしかないんだけど、まあ、今は開放感と言うか、吹っ切れた感覚を大事にしつつも、次の展開に向けて気持ちを切り替えて、また積極的に動き出したい!って自分がいるのに「我ながらホントよくやるよなあ」と感心したりしてる。意欲的と言うか何と言うか。

 こうした勉学の日々の中で書き溜めてきた、音楽に関する文章をまとめていこう!というのが、一応基本的なコンセプトのわけで、日記と言うよりはむしろ音楽コラム的な色彩を打ち出せたら…というのが理想ですね。こうした構想に基づいているんで、やはり初回は形式的にガッチリとしたディスクレビューをするべきかなと思い立ったわけです。ちょうど、受験勉強を支えてくれたアルバムがあったわけだし。

 R.E.M/「Automatic for The People」

『人々が無意識の内に』と名付けられたこのアルバムは、他に類を見ないような内省的でパーソナルである。そしてその穏やかな耳触りのせいでか一聴した限りでは、体の中をスウっと通り抜けるだけの、要は非常に地味な印象を抱くに留まる。
 しかし、僕は本作こそがR.E.Mの最高傑作だと全く疑う余地もなく断言できる。
 梅雨の深夜から夜更け、そして朝方にかけてこのアルバムは確実に僕の中に棲み付いて、居場所を築いてしまったからだ。
 本作のサウンドの根本となるのは、ギター・ピアノといったアコースティック楽器類とバンジョーやマンドリン、そして非常に洗練されたストリングスである。これらによって繊細に紡ぎ出された名曲M1・M4は、どこまでも真っ直ぐ誠実であって、日々の生活に苦悩を抱えていたとしても、『これで良いんだ』という気持ちを起こさせてくれる。
 そして何よりこの作品にしか存在しない世界観がある。それを集約するのが、超強力な終盤M10・M11・M12であり、神憑り的というか、崇高で澄み切った空気が流れてる。だが、上から見下されている感覚は一切なく、あくまで同じ視点からから奏でられている。そしてこの絶妙な当事者感覚こそが余りに素晴らしく、この作品が僕の胸を鷲掴みにして離さない理由だと思えるのだ。

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